恩返し

2016/03/04

飯舘村立飯舘中学校 アニメ「おちよ蛇類明神」

飯舘中学校の2年生と協同で制作してきたアニメーション「おちよ蛇類明神」が完成し、3月2日、避難中の仮設校舎(福島市)で、全校生徒が参加して完成試写会を開きました。民話「おちよ蛇類明神」を語り継いできた語り部の菅野テツ子さん(81)の姿も会場にありました。菅野さんは、このアニメでも「語り」を担当していただきました。
 この民話は、「恩返し」と「共生」がテーマです。
「おちよ」になって人間界に現れたヘビが、村の男と出会って子どもを授かる。おちよが自然界に戻ったあと我が子の重い病を知らされ、目玉をひとつ与えて、我が子の命を救う。しばらくして病床にあった我が子の看病に尽くしてくれた庄屋の命が危ないと知らされ、残る目玉を庄屋に与え命を救って消えていく。
アニメは、村民が総出で「おちよ」を祭った明神様に、お礼参りに行く行列のシーンで終わります。
東京電力福島第1原発事故から5年間で学んだ教訓は数多くあります。
原発による電力でお世話になった人たちは、フクシマに何を返すことができたのだろうか。
放射能によって立ち入りできなくなった古里の自然と共生していく道を再び開く術が人間にあるのだろうか。
自然を畏怖し再び同じ原発事故を起こさない覚悟は、人間にできたのだろうか。
原発事故で「古里」を追われた生徒たちが作った作品は、多くの事を問いかけています。制作に参加した2年生の一人は試写会のあと「多くの人に観てほしい」と話し、別の生徒は「アニメを通し、飯舘村を多くの人に知ってほしい」と話していました。
 作品を観終わったあと、81歳の語り部の目に涙がありました。「菅野さん、民話を語り継いでくれて、ありがとうございました」(生徒、スタッフ一同より)