飯舘牛復活へVol.1 和牛繁殖農家 佐藤一郎

飯舘村にはかつて「飯舘牛」というブランドがありましたが、原発事故による全村避難でほとんどの牛農家が廃業してしまい、高級和牛として知られたブランドは消滅した状態が続いています。
佐藤一郎さんは、原発事故前、7haの水稲栽培と15頭の牛を飼う農家でした。事故の後は、すぐに空き牛舎を探しました。知人のつてで使われていなかった豚舎を見つけ、自ら改装し牛を移動。家族は相馬市の仮設住宅に避難しました。以後6年間続く避難生活の中で、佐藤さんは地元の和牛繁殖部会に参加し、仲間に迎えられ、牛の育て方など新しい知識にも出会いました。その経験が大きな財産になったと佐藤さんは言います。
避難指示が解除された後、飯舘村に戻ることに迷いはなかったそうです。稲作はできなくても牛で生きていく。そう決意した佐藤さんは、村の支援を受け、新しい牛舎を建設。牛の頭数も大幅に増やし、和牛繁殖一本で生計を立てています。
かつて村おこしに貢献した飯舘牛ブランドの復活は、村民の願いであり、村復興への大きな力となるはずです。村に戻って牛飼いを再開した農家はまだ数軒で、高齢化も進み前途は多難ですが、後を継ぐ若い力も現れています。時間はかかりますが、風評被害を乗り越え飯舘牛が再び消費者の手元に届くまで、牛農家の挑戦は続きます。

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